生体力学(バイオメカニクス)において、足にかかる「重量」は床反力(Ground Reaction Force, GRF)と呼ばれます。運動強度が上がると、足への衝撃力は加速度的に増加します。
以下は、様々な運動状態における足の衝撃力と体重の倍数関係です:
1. 運動状態別の圧力比較表
| 運動状態 | 足への衝撃(体重の倍数) | 衝撃の特徴 |
| 静止立位 | 1倍 | 両足で分散。片足あたり体重の0.5倍を支える。 |
| 平地歩行 | 1.2 - 1.5倍 | 典型的な「二峰性」曲線:踵の接地時と離地時にピーク。 |
| ジョギング | 2 - 3倍 | 顕著な衝撃波が発生。土踏まずと足首の筋肉がエネルギーを吸収。 |
| ダッシュ/全力疾走 | 3 - 5倍 | 接地時間が極めて短く、主に前足部に猛烈な圧力がかかる。 |
| 階段を下りる | 3 - 4倍 | 重力加速度の影響で、平地歩行より膝や足への負担が大幅に増加。 |
| ジャンプの着地 | 5 - 12倍 | 極限負荷。高さや膝の曲げ具合(クッション)により変動。 |
2. なぜ運動時に「重量」が増えるのか?
これは物理学の「力積と運動量」の公式で説明できます:
F * Δt = m*Δv
ここで、Fは衝撃力、mは体重、Δvは速度の変化量です。
- 速度が速いほど: 身体を停止・転換させるために必要な力 F は大きくなります。
- 接地時間 (Δt) が短いほど: 力が短時間に集中し、瞬時の衝撃力が跳ね上がります。
3. 体重の「レバレッジ効果」
重要な生体力学的視点:体重が足に与える影響は増幅されます。
- 減量効果: 体重を 1kg 減らすと、歩行時は一歩ごとに足首への負担が約 3kg 軽減され、ランニング時は 5kg以上 軽減されます。
- 怪我のリスク: 過体重は足底筋膜やアキレス腱の慢性的な過伸展を招き、足底筋膜炎や扁平足の原因となります。
4. 身体の「衝撃吸収システム」
これらの衝撃に対抗するため、身体には多段階のクッション機能が備わっています:
- 足弓(スプリング): 板バネのように収縮・反発します。
- 踵の脂肪体(油圧ダンパー): 接地時の最初の衝撃を吸収する液圧減震器の役割。
- 筋肉(アクティブ吸収): 下腿や大腿の筋肉が「遠心性収縮」することで力を逃がします。